先日、大分市にあるホルトホールにて高校生向け起業家育成実践講座が開催された。このプログラムは2日間によるプログラムで今年は10名の参加者が自身の抱える「やりたい」や「社会の課題」などに目を向け実際に事業を作ってみるプログラムでした。

プログラム最初は実際に学生時代企業を経験された、イジゲングループ株式会社の佐藤さんによるトークセッション。佐藤さんは大分商業高校から、大分大学を卒業され、大学時代に受講したビジネスアイディアを考える講義にて企業に興味を持ち、サークルの仲間を集い起業する運びとなった。このトークセッションでは起業した当時の苦労話や実際に起業するまでのお話しをしていただきました。

トークセッションを終え、高校生がそれぞれの自己紹介をしました。高校生は、それぞれコミュニケーション力を高める、起業家の行動力を学びたいなど、さまざまな目的でこのプログラムに参加していました。

そこで実際に高校生に事業内容を考えてもらう前に、昨年度の参加者3名によるプレゼンテーションを見学した。

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1人目はアシスポの猪原美羽さん(18)です。彼女は一昨年からの参加者で今年はメンターとして初参加!彼女が運営するアシスポはお子様が新体操をはじめ、高価な衣装を必要とするスポーツをしているご家庭に、衣装作りで費やす時間を無くし家族の時間を取り戻してほしいという思いで衣装のレンタル事業をしている。初めての参加から2年かけて磨き上げたプレゼンテーションは、高校生の心にとても印象深く残ったかと思います。

2人目はSoar Careerの古野翔音くん(18)です。彼は今回オンラインの参加でしたが、事業を作っていく上でとても大事なことを話してくれました。彼の事業は、子供達にさまざまな職業体験をしてもらうスペースを作る事業です。彼の事業を実現していく上では、まだまだそういった場所を作るためにはお客様の声が必要や彼の実績が必要でした。そこで彼は、中津市で「知る職」という名前でさまざまな企業を呼び集め実際に小学生に職業体験をしてもらうイベントを実施したのです。現在は山口大学に在籍し、山口県内で1回目のイベントの数倍の規模でのイベント開催の準備をされています。「大きい目標でも、今できることをまずやってみる」、「小さいことからでも初めてみる」そんなメッセージがこもったプレゼンでした。

3人目はwalklyの小松杏さん(17)です。彼女の考えたサービスは街中のゴミ箱を増やし、ゴミを手に持つことで感じるストレスを減らしていくというものでした。彼女も昨年の参加からこれまで1年間かけて当時考えた事業案を磨き上げてきました。OBOGの中では1番年も近く、高校生の最初の目標になれたかと思います。

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そんな3人の先輩のプレゼンを終えて、まず最初の取り組みとして各テーブルで出た、最初のキーワードに対して20分でどれだけアイディアを出せるかを試すアイスブレイクが行われました。この日初めて顔を合わせるチームで、少し恥ずかしさも見せながら、必死にたくさんのアイディアを出していました。突然出てきたキーワードにみんなで向き合うので、興味のないテーマもあったかと思います。しかしここでの学びは、しっかりと自分の意見を持ち、それを正確に相手に伝えるというところにもありまいた。午後の部では、そんな体験から高校生の「本当にやりたいこと」を聞けることに運営陣もワクワクしておりました。

午後の部では、実際に高校生が各自で抱える「やりたい」や、「社会の課題」について考え、どんなビジネスアイディアにしていくのかを発表してもらいました。それぞれの意見を聞き、お互いに良かったところ等を称賛し合い、その後のビジネスアイディアの発展に繋げることができた。

その後、宮井さんからプレゼンテーションの作り方のポイントをレクチャーしてもらい、各自のビジネスアイディアを紙に起こしていく作業が始まりました。そして最後に、各自のアイディアの進捗、方向性の変化などを共有したところで1日目が終わりました。

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2日目は午前中で1日目に考えたビジネスアイディアにさらに磨きをかけ、午後にプレゼンテーションを作成していくといった流れで進めていく予定でした。しかし、運営陣の想像を遥かに超え、高校生たちはすでにプレゼンテーションを仕上げている人もいれば、前日にお願いしていたプリント等に自身のアイディアを書き起こし埋めてくる人もおりました。そんな二日間でできた高校生のビジネスアイディアはどれも素晴らしものが出来上がりました。

1人目:Me fit
自身も困った下着のフィッティングに関して、コアサイズ(一般的なサイズ)以外の人に向けて、自分の好きなデザインをちょうど良いサイズで届けるサービスです。

2人目:キャリーケースを預かり、ホテルまで届けるサービス
近年増えてきた旅行客に向けて、空港や最寄駅到着後、そのまま観光を楽しめるようにと、旅行客の荷物を預かり、ホテルまでお届けするサービス。

3人目:miyus
自身がモンテッソーリ教育を受けていたことを活かし、不登校やいじめにあった子どもたちにあたらいい居場所を提供するサービス。実際に企業やボランティア団体などからの寄付を募り運営していく。

4人目:軽トラサウナ
旅行先や自然の中でサウナができるように、移動式のサウナを軽トラで展開。競合としてテントサウナが考えられるが、テントサウナよりも温度を高く保てることなどを強みに大分から九州各地へと展開していく。

5人目:メロディーコネクト
楽器を弾いている人同士が繋がれるサービス。趣味でアフリカのカリンバを引いていることから、もっとさまざまな人と共演したいという思いでこのアイディアを思い立った。

6人目:シェアスケ
自身の最寄りのバスの本数が少ないことがきっかけで、1日の時間をもっと有効活用して行きたいと感じた。そこで彼女が考えたアイディアは、その日の予定を入れているGoogleカレンダー等と連携することで、最適な公共交通機関による移動手段、またその周辺の飲食店等を提案してくれるアプリケーション。また、ユーザーはその機能を最大限に生かし、シェアスケを通じて旅行会社等に自身が考えた地元のツアー企画を提案、売却することができるアプリである。

7人目:スタディーカフェ
普段、勉強をする際にスマホや、親に話しかけられ勉強に集中できないことが多々あったことで思い立ったこのアイディア。このスタディカフェでは、お客様のスマホを預かり、より集中できる空間を提供してく。図書館等とは違う、学生にとって入って行きやすい空間を目指す。

 

最後に、このプログラムは決して起業を推し進めるものではありません。参加された高校生にとって自分が好きなことをやるための選択肢の一つとして、起業やこの2日間の学びを将来に活かしていってほしいという思いで開催いたしました。参加された高校生の中で、もしこれからもこの2日間で考えた事業を進めて行きたい、引き続き取り組んでいきたいと思っていただけたら、メンターの皆さんはいつでもサポートしてくれます!

ぜひ、お気軽にご相談ください!