橘木 良祐(たちばなき・りょうすけ)

2015年九州工業大学卒業。在学中はカエルを研究として行った。大学卒業後に海外を放浪し、カエルを食材として用いる地域があることに気づく。帰国後飲食店店主などの履歴を経て、2020年7月から「平家キャビア」をブランドとする有限会社鈴木組で養殖業に携わっている。

 

―事業について教えてください。

カエルの養殖業を行うことを志しています。6月まで別府市に住んでいましたが、7月より宮崎県椎葉村ということころでチョウザメの養殖を携わっています。もともとカエルの養殖を行おうと考えていたのですが、よくよく考えると養殖についての知識が全くなく、また、ビジネスとしての知識もありませんでした。

そこでチョウザメ養殖を行っている鈴木さんという方のところで働き、日々勉強をしております。業務としてはチョウザメの世話が中心で、エサをやって掃除をするということがその主なものです。食べ残しがあったら餌を減らしたり、水温や水中の酸素量でえさの量を調節したりするなど様々です。単純に餌やりと掃除といっても奥が深く、様々なことを同時に考えながら業務を進めております。養殖の技法や経営者としてのノウハウをそばで見つめながら、勉強しているといった状態です。

同時に現在、新しい池を作る計画が進んでおります。そこでカエルを完全養殖できるかどうかという実験を行っていきます。今宮崎ではかえる君と呼んでいただいており、常にカエルの帽子をかぶるようにしています(笑)

-カエル事業を志したきっかけは?

もともと大学でカエルの研究を行っていました。その際はカエルが跳ねる際にどのように衝撃を吸収しているのかという研究でした。卒業後はバックパックを背負い海外に行っったのですが、そこで日本ではあまり食べられないカエルという食材をいただきました。意外にも美味しかったのです。

帰国後焼き鳥屋をやっていたのですが、経営難から解雇されてしまいました。その際に食べるものにも困ってしまい、「栄養があるものをおなか一杯食べられたら心底幸せなのだろうな」と思いました。そこで世の中すべての人がおなか一杯栄養のあるご飯を食べられるような世の中になればよいなと思い、それを好きなカエルでやりたいと思い立ちました。

現在、カエルを日本でもっと食べられるような取り組みを行っております。

-ASOを利用した感想はなんですか?

宮井さんの存在が非常に大きいです。起業の基本のノウハウを教えていただいたり、様々な人を紹介してくれたりするだけではなく、それまでの道筋を伴走してくれます。また、人として起業家とはこうあるべきであるという話を説いてくれます。

またASOに最初に来た際、私は自分の行く先が定まらず、また職にも困っている状況であったため、様々な部分で迷いが生じていました。それでも会員として置いていただき、現在こうして働いていることがとても幸運であると感じております。一生懸命取り組むことや人から感謝されることがうれしいとか、そのような基本的なこともASOで気づくことができました。現在お世話になっている養殖業も、宮井さんから紹介を受けた結果です。

7月に宮崎へ行ってからの養殖を勉強する日々はとても楽しいものです。特に生き物を育てることが好きだなということを改めて実感することができました。本当に来てよかったと思っております。